07 第3部 実践 / どう使いこなすか

主要サービスの比較と選び方

ChatGPT・Claude・Gemini・Copilot・Grok。2026年5月時点で各社公式ページに記載されているモデル名・コンテキスト長・料金を、すべて出典URL付きで整理する。

読了 約13分 最終更新 2026.05 サービス比較選び方ChatGPTClaudeGeminiCopilot料金

同じ「生成AI」でも、サービスごとに思想・得意分野・つながる道具(エコシステム)が異なります。本章は 2026年5月時点で各社公式ページに掲載されている情報 をもとに、「自分の場面ではどれを選ぶか」を判断軸つきで整理します。

1. Anthropic Claude

モデルラインナップ(2026-05時点)

モデルリリースコンテキスト長
Claude Opus 4.82026-05-281M トークン
Claude Opus 4.7既存1M トークン
Claude Sonnet 4.6既存1M トークン
Claude Haiku 4.52025-10200K トークン

出典:platform.claude.com/docs/en/about-claude/pricing

API料金(USD / 100万トークン)

モデルInputOutputBatch(50%引)
Opus 系(4.8/4.7/4.6/4.5)$5$25$2.50 / $12.50
Sonnet 4.6$3$15$1.50 / $7.50
Haiku 4.5$1$5$0.50 / $2.50
  • Prompt Caching:キャッシュヒット時は base inputの 0.1倍(90%引) [公式]
  • Batch API:input/output ともに 50%引

個人・法人プラン(USD)

プラン月額備考
Free$0基本機能のみ
Pro$17/月(年払)/ $20/月(月払)Claude Code 含む
Max$100/月 または $200/月Pro の5倍 / 20倍利用量
Team Standard$20/seat(年)/ $25(月)5〜150名
Team Premium$100/seat(年)/ $125(月)Max相当の使用量
Enterprise$20/seat + API従量カスタム条件

出典:claude.com/pricing

公式 claude.com に 円建て表記なし(2026-05時点)。日本での利用は USD 建て・為替変動の対象です。

2. OpenAI ChatGPT / GPT API

モデルラインナップ(2026-05時点)

モデルリリースコンテキスト長
GPT-5.52026-04-23API: 1,000,000 / Codex: 400,000
GPT-5.4既存1,050,000
GPT-5.4-mini既存公式要確認
GPT-5.4-nano既存公式要確認

GPT-5.5 は ChatGPT Plus / Pro / Business / Enterprise の既定モデル。

出典:developers.openai.com/api/docs/models/gpt-5.5

API料金(USD / 100万トークン)

モデルInputOutputBatch(50%引)
GPT-5.5$5.00$30.00$2.50 / $15.00
GPT-5.4$2.50$15.00$1.25 / $7.50
GPT-5.4-mini$0.75$4.50
GPT-5.4-nano$0.20$1.25
  • Prompt Caching:キャッシュ入力は標準 input の 10%(90%引)
  • Batch API:input/output 50%引
  • GPT-5.5 / 5.4 は 272K トークン超 のプロンプトで input 2倍・output 1.5倍の長文加算

出典:developers.openai.com/api/docs/pricing

ChatGPT サブスクリプション(USD)

プラン月額備考
Free$0米国は広告あり
Go$8
Plus$20
Pro$200(標準)/ $100(2026-04-09 新設の下位 Pro)
Business$20/seat(年)/ $25(月、2026-04-02 値下げ)最低2名
Enterpriseカスタム(150名最低)個別見積

出典:chatgpt.com/pricing / openai.com/business/chatgpt-pricing

OpenAI 公式に 円建て表記なし。iOS アプリ経由の App Store 課金では Plus が ¥3,000(税込)固定との報告があります(為替により変動)。

3. Google Gemini

モデルラインナップ(2026-05時点)

モデルコンテキスト長
Gemini 3.1 Pro1M トークン
Gemini 3.5 Flash(2026-05-19 リリース)1M トークン
Gemini 3 Pro1M(公式要確認)
Gemini 3.1 Flash-Lite1M(公式要確認)
Gemini 2.5 Flash1M

出典:ai.google.dev/gemini-api/docs/pricing

Gemini API 料金(USD / 100万トークン)

モデルInputOutput
Gemini 3.1 Pro Preview$2.00(≤200K)/ $4.00(>200K)$12.00 / $18.00
Gemini 3.5 Flash$1.50$9.00
Gemini 3.1 Flash-Lite$0.25$1.50
Gemini 2.5 Flash$0.30$2.50
Gemini 2.5 Flash-Lite$0.10$0.40

Batch API は 50%引(出典同上)。

個人プラン(円建て公式表記)

プラン月額
Free¥0
Google AI Plus¥1,200/月
Google AI Pro¥2,900/月
Google AI Ultra¥14,500〜¥32,000/月(2階層)

出典:gemini.google/subscriptions

USD 参考:Plus $7.99、Pro $19.99、Ultra $99.99(旧 $249.99 から値下げ)。

Gemini for Workspace(USD)

2025年以降、Gemini は 全 Workspace プランにバンドル済(単体アドオン廃止)。

プランUSD/seat/月
Business Starter$8.40
Business Standard$16.80(または $14)
Business Plus$26.40(または $22)
Enterprise$21〜 カスタム

出典:workspace.google.com/pricing

4. Microsoft Copilot

ベースモデル

Microsoft 365 Copilot は Azure OpenAI Service を介した OpenAI GPT-5 系 をベースに、Anthropic Claude(Sonnet 4.5 / Opus 4.5) を追加選択肢として組み込んだハイブリッド構成です。Copilot Studio、Excel の Agent Mode、Word などで Claude モデルを切り替えて利用できます。

出典:Microsoft Learn: Microsoft 365 Copilot Release Notes / Copilot Studio 公式ブログ(2026/5)

個人プラン(円建て公式表記)

2026-05 時点で、従来の単体「Copilot Pro」は Microsoft 365 Premium に統合 されています。

プラン月額
Microsoft 365 Personal¥2,130/月
Microsoft 365 Family¥2,740/月
Microsoft 365 Premium(Copilot 機能内蔵)¥3,200/月

出典:microsoft.com/ja-jp/microsoft-365-copilot/pricing/individuals

法人プラン(円建て公式表記)

プラン円建て価格
Microsoft 365 Copilot Business(一般法人)¥2,698/user/月(年払・割引中、通常 ¥3,148)/ ¥3,778/月(月払)
Microsoft 365 Copilot(大企業向け)¥4,497/user/月相当(年払、税抜、USD $30 換算)

別途 Microsoft 365 のベースライセンスが必要です。

出典:microsoft.com/ja-jp/microsoft-365-copilot/pricing/enterprise

5. xAI Grok

モデルラインナップ(2026-05時点)

モデルリリースコンテキスト長
Grok 4.3(最新フラグシップ)2026-04-301,000,000 トークン
Grok 4.20 系既存1,000,000 トークン
Grok build 0.1early access256,000 トークン

参考:旧 Grok 4 オリジナル版は 256K トークン、Grok 4 Heavy(マルチエージェント推論)も 256K。

出典:docs.x.ai/docs/models/grok-4.3

API 料金(USD / 100万トークン)

モデルInputOutputCached input
Grok 4.3$1.25$2.50$0.20
Grok 4.20 系$2.00$6.00

Grok 4.3 は段階課金(トークン量での倍率変動)なし。旧 Grok 4 オリジナル版は 128K 超で input/output ともに2倍課金が適用される旧仕様でしたが、Grok 4.3 では撤廃されています。データ共有プログラム参加で月 $150 までの無償クレジット。

コンシューマプラン(USD)

プラン月額
Free$0(制限付)
SuperGrok Lite$10(2026-03-25 開始)
SuperGrok$30/月 / $300/年
X Premium+$40/月($395/年、Xバンドル)
SuperGrok Heavy$300/月(Grok 4 Heavy 含む)
SuperGrok Team$30/user/月

出典:grok.com/plans

6. オープンウェイト系(自社運用可)

モデル提供元ライセンス主な特徴
Llama 系Metaコミュニティライセンス汎用LLM。日本語特化派生(ELYZA, Swallow など)多数
DeepSeekDeepSeekMIT推論重視。コスト効率を強調
Mistral / MixtralMistral AIApache 2.0 等欧州製。多言語性
QwenAlibabaモデルにより異なる中国語圏で強い。日本語も対応

オープンウェイトは「重みが公開され、自前のGPU/クラウドで動かせる」モデルです。機密データを外に出せない用途、深いカスタマイズ(Fine-tuning)、推論コストの完全コントロール が必要なときの選択肢となります(第4章 4.3第6章 6.2参照)。

用途別の選び方フロー

[Q1] 自分が扱う情報に「外に出せないもの」が含まれるか?
  └ Yes →  Q2 へ
  └ No  →  Q3 へ

[Q2] それは「法務・経理・顧客個人情報・未公開IR」級か?
  └ Yes → 法人プランの「学習させない契約」必須、または自社環境オープンウェイト
          ・ChatGPT Enterprise / Claude for Enterprise / Gemini for Workspace
          ・もしくは Llama 系 + 自社クラウド
  └ No  → 個人プランのデータ取り扱い設定で「学習に使わない」をONにすれば多くの場合OK

[Q3] 何を一番やりたいか?
  ├ メール / 議事録 / 企画書など文章中心
  │   → ChatGPT / Claude / Gemini いずれも高水準。「普段Officeを使う」なら Copilot 統合が便利
  ├ 長い資料・PDF・画像・図表の読み取り
  │   → Gemini が強い(コンテキスト長と画像理解)。Claude も高品質
  ├ コードを書く / 長時間の自律タスク
  │   → Claude(Claude Code 等の開発ツール統合が手厚い)
  ├ Word / Excel / PowerPoint と一体で使いたい
  │   → Microsoft 365 Copilot 一択
  └ いま起きている話題・SNS連携
      → Grok(Xと連携)。他社も検索機能付きだが、Xアカウントとの統合は独自

[Q4] 予算は?
  ├ まず無料で試したい → 各社の無料枠で十分にカバーできる業務多い
  ├ 個人で本格利用    → サブスク(月20ドル前後)が損益分岐の目安
  └ チームで導入      → 1人月20-30ドル × 人数。年契約で割安に

個人で使うなら — 無料 vs 有料の損益分岐

利用頻度・用途おすすめ
月に数回、軽い質問・調べもの無料プラン で十分
週数回、業務メールや文章作成無料で様子見 → 制限に当たり始めたら有料
ほぼ毎日、長文・画像・コード等有料サブスク(月20ドル前後) が早い・速い・賢い
1日に何十回も使う / API連携したい有料サブスク + 必要に応じて API利用

法人で導入するなら

個人サブスクをそのまま社員数分契約するのは、ガバナンス上推奨されません。法人プランは以下が個人プランと異なります。

Governance

データを学習に使わない

主要法人プランは、入力データを提供元のモデル学習に 使わない契約 が標準。機密情報の流入リスクが大きく下がる。

Audit

監査ログとSSO

SAML/SCIM等のSSO連携、利用ログの出力、IP制限などが整備されている。情シスが管理可能になる。

Compliance

認証・準拠

SOC 2 Type II、ISO 27001/27018、HIPAA、GDPR対応など、業界・地域の認証を持つプランがある。

Support

サポートとSLA

エンタープライズ向けの稼働率SLA、技術サポート、導入支援がつく。

導入時の検討項目:

  • データ保管リージョン(日本国内に置けるか/米国・EUか)
  • 学習利用の停止が明文化されているか
  • 退会時のデータ削除ポリシー
  • 既存業務システムとの連携(SSO、Microsoft 365、Google Workspace、Salesforce等)
  • API利用枠と料金体系(席課金とは別途)

サブスク vs API — どちらが安いか

「APIの方が安いって聞いた」は半分本当で半分嘘です。実態は 使い方による

ケースサブスクが有利APIが有利
1人が1日10〜30回チャットで使う✓ 月20ドルで使い放題
月に数千回〜数万回、自動処理に組み込む✓ 従量課金で必要分だけ
顧客向けプロダクトに組み込む✓ APIしか選択肢がない
バッチで大量処理✓ 各社「Batch API」で約50%引
軽い社内ツールを作るサブスクのCustom GPT/Projectsで足りる場合もチームで使い回すならAPI

100万トークンは 日本語で50〜100万文字 相当(書籍数冊分)。簡単な要約や分類なら 1リクエスト数円〜数十円 のオーダーです。

「どれか1つ」ではなく「使い分ける」のが現実解

各社は数週間おきに新モデルを出し、性能差は急速に縮まっています。「最強」を追いかけるより、用途ごとに2-3個を使い分けるのが2026年の標準的なスタイルです。たとえば:

  • 普段の文章作成は ChatGPT、長文資料読みは Gemini、コードは Claude という個人の使い分け
  • 法人は Microsoft 365 Copilot を全社展開しつつ、研究開発部門だけ Claude API を別途契約 といった組織レベルの使い分け

切り替えのコスト(プロンプトの作り直し、データの移行)は小さいので、新モデルが出たら自分のよく使うタスクで比較する習慣 を持つと、相場観が育ちます。